みなさんは農薬に対してどんなイメージをお持ちですか。
・作物の見た目がキレイになる
・病害虫から作物を守ってくれる
・身体にはちょっと悪そう
・何となく嫌悪感を抱いてしまう
など良いイメージを持つ方もいれば
悪いイメージを持つ方もいるのではないかと思います。
農薬の歴史を振り返りながら安全性について見つめます。
そして無農薬で栽培する理由についてもお伝えします。
農薬の歴史と安全性
戦後、このままでは1000万人が餓死する
といわれた食糧難の時代がありました。
この難局を乗り越えられたのは
化学農薬が導入されて食料を安定的に
供給することができたからです。
戦後の欧米諸国でも、農業生産性の向上を目的として
農薬が普及し使用量も増加していきました。
しかし、アメリカの海洋生物学者、レイチェルカーソンの
”沈黙の春”が刊行され農薬の環境汚染問題に警鐘が鳴らされました。
おそらく農薬の悪いイメージは、この本による影響と
昭和40年代に起きた農薬使用中の事故や農作物への残留の高さなどの
社会問題の影響が大きいのではないでしょうか。
この”沈黙の春”の刊行は1962年。
この本の的確な警告によりそれ以降
農薬の毒性、残留性や使用方法などについて
検討・見直しが行われてきています。
近年開発されている農薬については医薬品並みの毒性試験
農産物に対する残留農薬試験などを実施し、
安全性が確保されたものしか農薬として登録されていません。
実に、農薬活性を持つ化合物を見つけてから登録までに
6~10年が一般に必要とされているようです。
それほど国の審査はとても厳しいのです。
つまり、正しく使用する限り現在登録されている
農薬は安全といえます。
(安心と安全の違いについてはこちらをご覧ください食の安心と安全)
無農薬で栽培する理由
ではなぜ、安全な農薬を使用せず栽培するのか。
それは、”美味しい野菜を作るため”に必要としないから。
安全かどうかという視点とはまた別の視点で見ています。
そして、皆さんが抱く
・農薬に対する生理的な嫌悪感
・子供にできるかぎり安心して野菜を食べさせたい
などのご要望にお応えるため。
昔に比べ、技術が進歩している農業機械や資材の力を借り
病害虫の発生を防ぐ効果がある輪作で栽培を実施すれば
無農薬での栽培は可能です。
もちろん、農薬を使用しないことで草に覆われてしまったり
虫に食べられてしまったりすることもあります。
でも、野菜や自然と向き合いながら
日々少しづつステップアップして
皆さんに美味しい野菜をお届けしたいと思っています。