無農薬野菜や有機野菜、減農薬野菜などの通販や宅配は昨今、かなり普及していますが、「ミールキット」というのをご存知ですか?
料理キットとも呼ばれていますが、事前に野菜や魚、お肉などの具材がカットしてあって、10~20分で調理が完成するというものです。
- 献立を考えなくてよい
- 買い物をしなくてよい
- 料理する時間が短くて済む
- 料理のバリエーションが広がる
など、夫婦二人が共働きでなかなか時間が取れない、でも、なるべく良いものを、と考える方々が利用されているようです。
とここで、タイトルにある農家直送の無農薬有機野菜の詰め合わせには「余白が残っている」とはどういうことかというと、これは至極当然のことなのですが、「料理を作る方が手を加えることによって完成する」という意味合いです。
ミールキット(料理キット)も完成しているわけではないのですが、それよりも、作り手に委ねられている部分が大きいです。
「ミールキット」も「野菜の詰め合わせ」も、どちらが良いのか悪いのかということではなく、どちらの選択肢があっても良いと思います。
無農薬有機野菜を宅配する頻度は「取り巻く自分の環境」で決める
今回は、野菜の詰め合わせの「余白」について、お届けしたいと思います。
参考になれば幸いです。
野菜の詰め合わせは、時間がかかるとは限らない
「野菜の詰め合わせ」は作り手に委ねられている部分が大きい、と先ほど書きました。
そこに少し含みを持たせているのは、
- 手間暇をかけなくても良いという選択もあるし
- 手間ひまをかけてないからダメということでもないし
- 手間暇をかける余裕があるときはかけてもいい
という「自由な選択がある」と思うのです。
つまり、野菜の詰め合わせだから時間がかかるとは限らない。
例えば、こんなことがあっても良いと思います。
- このトマトは美味しいから、洗ってそのまま食べることにしよう
- このキュウリは美味しいから、洗ってそのまま味噌を添えて食べることにしよう
- このキャベツは美味しいから、千切りにしてごま油で食べよう
- このカボチャは美味しいから、切って、素焼きにして、塩で食べよう
など、素材の美味しさが十分にあるほど、料理はシンプルにすることもできます。
こういうことが実現できると、いち有機農家としては本望です。
野菜をゼロから選ぶスーパーでの買い物とは違い、
野菜の詰め合わせは野菜がすでに農家によって厳選されています。
そこから先、旬の野菜を使って
- 色んなアレンジをしていただきながら楽しんで料理していただいても良いですし、
- シンプルに料理していただいても良い
そここそ、料理の作り手の方々が自由に選択できる「余白」の部分です。
作り手が映った料理
ミールキット(料理キット)の特徴の一つとして、「失敗しにくい」というのがあるそうです。
味付けが備え付けのソース、調味料でできるということなので失敗せずに料理が出来上がる。
極端に失敗した料理はあまり食べたくないものですが、
日々の味の変化はあっても良いと思います。
例えば、味噌汁について、
- 「今日の味噌汁は味が濃いな~」と、夫が言ったとすると
- 「真夏日が続くので汗をたっぷりかくと思ってね」と、妻が言う
という日々の気候や体調の変化に合わせて変化させる。
また、単純に、
- 「今日の味付けは美味しくできた」と、こっそり思う妻
- 「今日の味付けは美味しいね」と、妻に子どもが言う
という何気ない料理の会話が嬉しかったり。
- 美味しくできたときも
- 美味しくできなかったときも
- 手間暇をかけても
- 手間暇をかけなくとも
その料理は、その料理の作り手がまるッと映ったものです。
どこにもない唯一無二の料理。
「九州の世界農業遺産」と「有機農家の野菜セット」の個別特殊性
日によって少しずつ異なる料理の味。
いつでもどんなときでも全く同じ味ということはあり得ませんが、
それはどこでも買うことのできない「貴重な料理」のように思います。
まとめ
ミールキットも野菜の詰め合わせもどちらも良い点があります。
- ミールキットは10~20分で完成するものもある
- ミールキットは料理の幅が広がる
野菜の詰め合わせについては、
- 料理する側に「余白」がある
- 必ずしも野菜の詰め合わせだから時間がかかるとは限らない
- 野菜そのものが美味しければ、そのまま、あるいは、素焼きで食べるということもできる
自由に選択して楽しんで頂ければと思います。