野菜を食べると健康的になるのはなぜ?の第二弾。
先回はビタミンとフィトケミカル編でした。
今回は食物繊維編。
食物繊維が不足すると、
- 便秘
- 肌荒れ
- 肥満
- 糖尿
- 腸閉塞
- 高血圧
- 高脂血症
- 動脈硬化
などの身体に対する悪影響を引き起こしてしまいます。
特に、便秘との関連について調査したイギリスの医師、バーキット博士の研究から、
- 食物繊維の摂取が便秘の改善に効果があること
- 食物繊維が不足すれば大腸がんのリスクが高まること
ということが分かっています。
食物繊維と便の関係については周知のことかもしれませんね。

便が出ていないときには頭がすっきりしない、体調がいまいちになる感じは否めない
今回は、
- そもそも食物繊維ってなに?
- 食物繊維の効果
- 「噛む」ことの重要性
についてお届けします。
そもそも食物繊維とは?
食物繊維とは、「植物中に含まれる成分の内、消化酵素で分解されないもの、栄養として吸収されないもの」のことです。
小腸内で吸収されず、そのままのカタチで大腸に移行し、大腸内で一部は腸内細菌によって分解され、残りはそのまま排泄される。
このように書くと、「食べ物のカス」と思われてしまうかもしれませんが、バーキット博士の研究以降とても重要視されているのです。
食物繊維はからだに不可欠な栄養素、
- タンパク質
- 糖質
- ビタミン
- ミネラル
- 脂質
に次ぐ「第6番目」の栄養素に位置づけられるようになっています。
食物繊維に期待される効果
食物繊維の主要成分は4つ。
- セルロース:不溶性
- リグニン :不溶性
- ペクチン :水溶性
- ヘミセルロース:水溶性
不溶性のセルロースやリグニンは、主に腸内容物を膨らませる働きがあり、大腸を通過しやすくする。排泄が早いほど「植物中に含まれるDNA損傷物質やその他の毒素にさらされる時間が短くなる」と考えらえ、また、繊維質が毒素の一部と結合してその体内の吸収を抑える。
水溶性のペクチン、ヘミセルロースの繊維成分は腸内容物の粘度を高めるので、攪拌効果が低くなって、毒素や栄養成分の動きが遅くなる。水溶性の繊維もまた、特定の化学物質と結合してその吸収を妨げます。
それぞれ、
- 血中コレステロールを下げ
- 食後の血糖値上昇を緩やかにする
ことが判明しています。
特に、タマネギなどに含まれるイヌリンという食物繊維の微量成分は、有用菌の増殖を助けると同時に有害菌を減少させる。
水溶性の繊維は総体的にみると、心臓病や糖尿病を予防する効果がある。
以上の通り、野菜に含まれる不消化成分は身体に良い。
噛むことの重要性
ちょっと横道にそれますが、
- 飲むことと
- 丸のまま食べるの
との違いは、「噛む」があるかどうかです。
つまり、「食物繊維」に関しては、オレンジやニンジンの果汁を飲んだからといって、丸のまま食べるのと同じ効果は期待できません。
噛むことの効果は、
- 肥満防止
→よく噛んで食べると脳にある満腹中枢が働き食べ過ぎを助ける - 味覚の発達
→よくかんで味わうことで食べものの味がよくわかる - 言葉の発音がはっきり
→よく噛むことにより口の周りの筋肉を使うので、表情が豊かになる - 脳の発達
→よく噛むことによって、脳細胞の働きを活発にする
子供の知育を助け、高齢者の認知症予防にもなる - 歯の病気を防ぐ
→よく噛むことで唾液がたくさん出て、虫歯や歯周病を防ぐ - がんの予防
→だ液中の酵素には、発ガン物質の発ガン作用を消す効果がある - 胃腸の働きを促進
→よく噛むことで消化酵素がたくさん出て消化を助ける - 全身の体力向上と全力投球
→力を入れてかみしめたい時に、歯を食い縛ることで力が湧く
の主に8つ。
ということは、食物繊維豊富な野菜をそのまま、モシャモシャと食べるのはとても良いということです。
まとめ
おさらいすると、
- 食物繊維は第6番目の栄養素である
- 食物繊維が毒素と結合して吸収を妨げる
- 豊富な野菜をよく噛んで食べることは、体にとても良い
腸は「健康と美のカギ」であるともいわれていますが、その働きを助けてくれるのは「食物繊維を取る」と「よく噛む」ということ。
ご飯は自分が食べたいと思うものを美味しく、楽しく食べることが一番ですが、少し意識して野菜を食べることが、それを続けていく秘訣かもしれません。