虫食いのある無農薬野菜は美味しいってホント?

百人百様の有機栽培
まだまだ手の皮が薄い園主の掌

まだまだ手の皮が薄い園主の掌

虫食いのある野菜は、

  • 虫が食べるほどの「美味しい野菜」の証
  • 虫が食べていない野菜よりも「美味しい」

って聞いたことありませんか?
特に、年配の方から聞くことが多いのではないでしょうか?

虫食いがあると「無農薬で育ったんだ」という感じがして、安心感は増すかもしれません。
無農薬栽培なのに「虫食いゼロ」では、

  • ホントに無農薬?
  • 農薬を使っているのでは?

と、思ってしまいますよね。

でも、
無農薬栽培で虫食いがないということは「自然界から淘汰されなかった結果」の最たるもの。

つまり、健康に育った、美味しく育ったということ。

  • 虫はなぜやってくるの?
  • 無農薬栽培でどんなふうに防いでいるの?
  • 健康が美味しい?

という流れで話を進めます。

虫はなぜやってくる?

野菜になぜ虫が飛んでくるのか?

それは、野菜の「香り」に引き寄せられているのです。
野菜から出る香り、つまり、野菜の細胞内に含まれる香りを頼りにやってきます。

野菜はそもそも、自然の雑草とは違い「苦み、エグミ、臭み」などがありません。
そういった人にとって好ましくないモノは、品種改良によって取り除かれてきましたから。
春先に野草を食べると「野菜にはない香り」がしますよね?

それは、虫にとっても好都合な話。
なので、野菜は自然界にただ置いておくだけでは、虫などによって淘汰されてしまいます。
そもそも、農業は自然界で起こっている現象のスピードを少し早めて作物を育てていますから、
自然な行為ではなく不自然な行為とも考えられます。

  • 人が手をかけて改良した「種」を
  • 人が自然界のサイクルを少し早めて「育てる」

つまり、
野菜は「人が手をかけてなんぼ」(大阪弁で、人が手をかけて価値あるものになる)です。

子どもを育てることと同様に、手をかけてやらなくてはなりません。

では、実際どうやって虫対策をしているのか?
次に続きます。

無農薬栽培ではどうやって防いでいるの?

有機農業の病害虫対策は、大きく次の三つです。

  1. 物理的対策
    ・防虫ネットを野菜にかぶせる
    ・土にポリマルチを被せる(畑にある黒色や銀色のビニールのカマボコみたいなあれです)
  2. 耕種的対策
    ・肥料を施す量や質などの「土づくり」
    ・「抵抗性のある品種」を用いる
    ・多種多様な野菜を植えて、疑似的に自然を作る「多品目栽培」
  3. 生物的対策
    ・「天敵」を農薬の代わりとして利用
    ・「微生物」を農薬の代わりとして利用

手段としてはこのように色々あります。
各有機農家がそれぞれ、どれを用いるかを取捨選択しますが、
有機農業者の間でよく用いられているのは「物理的対策」。
野菜にネットをかけて虫から守る、という農家でない方でも分かり易い対策。

野菜の中には、虫に食べられ易い品目(キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科)と、
食べられにくい品目(イモ類やネギ類など)がありますので、それぞれ使い分けます。

次に、「耕種的対策」。
有機栽培ではよく「土づくり」が重要といわれていますが、

  • 種を蒔く前
  • 植える前

の土づくりで、もう勝負はついているといわれるほど。
土に含まれる「栄養」が、その後の野菜自身の生長に関わってきますから、
有機農家はここに全力投球します。

栄養が偏っていると、例えば、窒素過剰の場合、
葉っぱの皮が薄くなり中の細胞が肥大した状態(破裂寸前まで膨らました風船みたいな状態)となって、
虫に取っては香りもかぎやすい、細胞も吸いやすいという格好の餌食になってしまいます。

ヒョロヒョロでも、メタボでもなく、がっちりとした筋肉質な健康体の野菜であれば、
虫が飛んできても負けない体づくりができています。
中々むつかしいですが、上手く栽培できれば「物理的対策」をせずに健康に育つこともあります。

「生物的対策」は、害虫を食べる天敵の虫をいかに増やすか、
つまり、画一的な環境ではなく、生物多様性をいかに畑の中に再現するか。

畑の生物多様性は、天敵となるテントウムシやハチを呼び寄せる植物を植えたり、
畝間に麦やクローバーを播種して草生させるなどして、作物を守ってくれる多様な生きものの誘導を図ります。

こんな風に予防をしなければ、自然界からいとも簡単に淘汰されてしまいます。

健康的な野菜が美味しい

虫対策は以上ですが、「美味しい」につながる要素はやはり「野菜自身の身体作り」。

つまり、耕種的対策で少し触れましたが、やはり「土づくり」にあります。

  • 窒素過多で「内側の細胞だけが肥大する」のではなく
  • 外側の皮と内側の細胞がそれぞれバランスよく育つ

そうすれば、香りを閉じ込めることができるので、虫も寄ってこない。
もし、寄ってきたとしても、外側の皮がしっかりしているので中まで食べられない。

結論は、「虫食いのない健康的でマッチョな野菜は栄養価も高く、美味しい」。
参考:慣行栽培でもなく自然栽培でもなく「有機栽培」で無農薬野菜を育てる理由

とはいえ、
気象条件に左右される野菜。
雨、気温、日照時間などによって、計画通りにいかないことがほとんど。
また、前提として農業が不自然な行為であるということもあって、
保険をかける意味でも「予防」をするのは当然です。

皿の上に載っている野菜を想像するときに、
虫食いの少ないきれいな見た目の方が、やっぱり「美味しさ」が増しますからね。

まとめ

結論は「虫食いのない健康的でマッチョな野菜は栄養価も高く、美味しい」。
では反対に、虫に食いがあるとまずいのか、といわれてしまいそうですが、

  • 「畑で野菜を育てる」ということ自体が、虫にとっては好都合な環境
  • 気象条件に左右される農業は、人にとっては都合よくいかない

という土台の上に行っていますから、虫食いは多少あったとしても

「自然界に淘汰されなかった」=「健康体」

と考えていただいて差し支えないと思います。

無農薬とはいえ、虫食いはない、あるいは、少ない方が良いという話でした。

 

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