こんにちは、園主の亮太です。
興味深いデータを見つけましたのでご紹介します。
「野菜・果物の消費行動調査」の2016年のデータで、野菜購入時に重視する項目、重視しない項目がそれぞれ挙がっています。
この調査結果はWeb調査による分析結果で、「無農薬有機野菜セットの通販・宅配を購入する方」が対象というわけではありませんが、「野菜を購入する」という観点では共通です。
また、多くの方が購入するスーパーの野菜のほとんどは、慣行栽培で栽培された(農薬を使用して栽培されてた)野菜であるため、無農薬有機野菜を購入する方とは少し求めるものが異なる点もあるかとは思いますが、多くの人が野菜に求めるもの、求めないものは何なのか。
参考になれば幸いです。
消費行動調査から考える野菜に求めるもの、求めないもの
野菜購入時に重視されるもの

参照:野菜の消費行動調査(一般社団法人JC総研)年次別[%]
図が少し見にくいですがご了承ください。
重視する項目のトップ5は以下の通り。
- 鮮度
- 販売単価
- 国産品
- 旬
- 特売品
これらの結果は、次のように言い換えられます。
1)鮮度と4)旬は「味」、
2)販売単価と5)特売は「価格」、
3)の国産品というのは「安全・安心」

なんとなく、想像通りの結果だったのではないでしょうか?
これは、無農薬有機野菜セットの通販、宅配にもいえることで、ご購入されている方々は「味」や「安全・安心」を求めているし、もちろん「価格」も高すぎては継続できない。
簡単に考えてみましょう。
例えば、農家直送で野菜セットを購入する場合、
- 農家直送であれば収穫後に最短で翌日、かかっても翌々日には自宅に届くので鮮度はよい
- ほとんどが露地で育てたものであれば旬が味わえる
- 食味に関しては慣行栽培よりも有機栽培が良い
- 仲介業者がいないので価格の上乗せが少ない
- 生産者の顔から人柄、栽培に関する考え方などまで分かれば、より安心できる
という分かり易い話になります。
参考:慣行栽培でもなく自然栽培でもなく「有機栽培」で無農薬野菜を育てる理由
やはり、せっかく購入するからには、美味しい野菜を適切なボリュームで、適切な価格で購入したいと思うのは自然な流れですし、生鮮食品に求められる必要な条件です。
野菜購入時に重視されないもの
反対に、重視していない項目
- 下ごしらえ不要
- 箱単位で割安
- 有名産地
- 保存がきく
- 特別栽培
など。
下ごしらえが不要というのは、野菜を自分なりに料理して楽しんでもらうという意味で、いち有機農家として嬉しい結果でした。
野菜がカットされていない、そのままな状態なだけに、
- 野菜についた土を落としたり、
- 野菜そのもののカタチ、色を楽しんだり
- 子どもであれば野菜のカタチを知らなかった
といったことが「体感」できると、些細なことですが思っています。
なかなか自然と触れ合う機会が少ない現代の生活の中でも、料理を通して、
- 野菜についた土に触れ
- 自然が育んだ野菜に触れる
ことは、小さなことですがとてもいいように思います。
「有名産地かどうかを重視しない」
有名産地かどうかを重視していないというのは、いち有機農家としても同感です。
九州のなかでも有機野菜で有名な「街」はたくさんあります。
でも、「街」ではなく「各有機農家」が野菜を育てるときに何を考えて、あるいは求めているのかが大切。
- 収量なのか
- 耐病性なのか
- 野菜独特の味なのか
- 栽培方法の考え方は?
など。
なので、野菜は各有機農家が判断して栽培された結果で、同じ生産地であっても異なる野菜と捉えられます。
もちろん、街ぐるみで有機農業に取り組めば、街として予算をとったり、有機栽培用の資材を扱ったり、という有利な点はあると思います。
参考:無農薬野菜・有機野菜の宅配は農法よりも農家で選んでみる
「特別栽培などの栽培方法」
特別栽培などの栽培方法が重視されていないのは、スーパーで購入される方々がたくさんいらっしゃるということを表しているのかもしれません。
ただ、無農薬有機野菜セットの通販宅配を検討されている方々にとっては、「安全安心な野菜」をということで「栽培方法」を重要視される方が大半だと思います。
そして、結局のところ、栽培方法も「味」を決める要素ですので、栽培方法を重視されることは
安全安心にプラスで「より美味しい」を求めることにもつながっています。
無農薬有機野菜セットの通販と宅配における「人間味」
無農薬有機野菜セットの通販と宅配では、安全、安心の土台の上に、食味の良さ、鮮度、品種、旬などが載っています。
さらに安全、安心の根っこになっているのは、「有機農家そのもの」。
有機農家それぞれの
- 栽培理論と栽培方法
- 栽培や料理に至るまでの総合的な思考、考え方
- 評価に対する考え
- 背景、経緯
- 意義
などが、その有機農家の根っこになるわけですから、一番深いところの「安心感」はここになると思います。
有機野菜は「安全、安心」ということで検討されている方もたくさんいらっしゃると思います。
その「安全、安心」を奥深く掘っていけば「有機農家の人間味」に最終的に行きつく。
「人間味」が根っこにあると、安心して、美味しく食べることができるという、「味」の決め手になっているのではないでしょうか?
まとめ
おさらいです。
消費者行動調査から野菜に購入時に重要視する項目、しない項目はそれぞれ、次の通りです。
重要視される項目
- 鮮度
- 販売単価
- 国産品
- 旬
- 特売品
重要視されない項目
- 下ごしらえ不要
- 箱単位で割安
- 有名産地
- 保存がきく
- 特別栽培
食品宅配サービス、オーガニックマーケットが広がりを見せる昨今。
どんな栽培方法であったとしても「安全・安心、味、旬、価格」を求めることは、生鮮野菜には共通のようです。