慣行栽培でも自然栽培でもなく「有機栽培」で無農薬野菜を育てる理由~その3~

百人百様の有機栽培

夜神楽の始まる前の道行(みちゆき)@NOEN5のある地区にて

なぜ無農薬野菜を育てるために「有機栽培」を実践しているのか。
慣行栽培でもなく自然栽培でもなく「有機栽培」で無農薬野菜を育てる理由
野菜にとって「炭水化物」が健康的で美味しくなるための鍵である、という内容。
慣行栽培でもなく自然栽培でもなく「有機栽培」で無農薬野菜を育てる理由~2~
鍵となる炭水化物を作るための「栄養の吸収の仕方」について

それぞれの理由をお伝えしています。

今回は、「土づくり」について。
土づくりという言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
野菜が生きるうえでどのような住環境であれば快適に過ごせるのか、
植物生理を考えながらお伝えできればと思います。

有機栽培における土づくり

野菜の根っこは、どのように栄養を吸収しているのかというと、
・光合成によって作られた炭水化物(糖)を根に送り、そこで酸素の力を借りて
根の先端で「根酸」という有機酸(クエン酸、アミノ酸)をつくる
・この根酸で土壌中のミネラルを可溶化し、その後伸びてくる根っこで吸収する
という方法で養分を吸収します。

つまり、根っこは「呼吸」をしています。
酸素を取り込んで呼吸をし、光合成で作られた炭水化物からエネルギー(カロリー)を取り出して
さまざまな生命活動(根酸の製造と養分の吸収、細胞分裂)を営んでいます。

ということは、固くしまった土では呼吸ができないので、
養分があったとしても吸うことができない、生命活動ができません。
このことから「通気性」が重要になります。

次に、水(H2o)が光合成による炭水化物生産の原料であることを考えると「保水性」が、
それと同時に「排水性」も重要になります。
雨が降った時に適度に水分を保持でき、かつ、大雨が降ったときには排水ができなければ、
植物は枯れてしまいます。

呼吸できる「通気性」、水分を適度に保持できる「保水性」、水分を適度に流す「排水性」を兼ね備えた土が、
良い土ということになり、これは「団粒構造」が作られることで実現できます。

団粒構造(参照:アグリシステム(株))

野菜の根っこは呼吸していると記しましたが、
団粒構造を持った土もあたかも呼吸できています。

・太陽の光が当たると地面の温度が上昇し、土中にたまっていた水が水蒸気となって何百倍にも膨れて
土中の隙間を通って空気中に放出されます
・このときに、根が出した二酸化炭素を一緒に空気中に追い出してくれる
・雲が出て太陽の光が遮られると、地面の温度が下がります
・水蒸気は元の水に戻るので、体積は何百分の一となり土中の圧力が低下して、
空気中の新鮮な酸素を土中に引っ張り込む

このように地面の温度の変化によって、あたかも呼吸しているような状態になるのは、
団粒構造があるからなんですね。

土づくりというと、三つの性質に分けられます。
物理性:通気性、排水性、保水性など
・生物性:土壌中の有機物を分解、土壌病害の抑制などの土壌生物のこと
・化学性:化学的な成分(養分)やpH(酸性/アルカリ性)

このうちの「物理性」に当てはまる内容でしたが、
この物理性がないと生物性と化学性は成り立たないので、
物理性は土づくりのまさに「土台」といえます。

土づくりにおける堆肥の役割

鶏ふんや牛ふんなどの有機物が微生物によって分解・発酵された堆肥は、
・団粒構造を作って土の物理性の向上を図ることが第一の目的(物理性)
・土壌病害虫の拮抗微生物のエサになること(生物性)
・高品質な収穫物を得るための品質を向上させる微生物のエサになること(生物性)
・土が持つ養分保持力(CEC)の改良(化学性)
などという働きがあります。

他にも、植物にとって肥料的な働きがあります。
肥料的な効果としては、
・肥料の三要素としての効果
・可溶化した炭水化物の効果
・微量要素としての効果
が挙げられます。

農園皐月のある九州は宮崎県高千穂町では牛を飼っている方が多く、
牛舎で堆肥を作っている、田んぼに堆肥を入れている光景などをよく見かけます。

昔の方々がこのような科学的なことを知っていたかというと、知らなかったのではないかと思いますが、
先人の知恵は理にかなっていることが多いなと日々気づかされます。

まとめ

人にとっての「食事」が、野菜にとっての「土づくり」。
食事は「主食とその他」、「質と量」などのバランスが大事です。

土も「空気と水の物理性のバランス」、「多様な微生物のバランス」、「化学的なバランス」を
うまく取ることができていれば野菜が健康に育つ。

最後までお読みくださってどうもありがとうございました。

参考になれば幸いです。

 

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