慣行栽培でも自然栽培でもなく「有機栽培」で無農薬野菜を育てる理由~その2~

百人百様の有機栽培
こちらの写真は理論ではなくほぼ感覚的に建てています

こちらのハウスは理論ではなくほぼ感覚的に建てています

慣行栽培でもなく自然栽培でもなく「有機栽培」で無農薬野菜を育てる理由

の続きです。前回の記事では、
「慣行栽培や自然栽培、有機栽培」などの栽培方法の種類がたくさんある中で、
なぜ有機栽培で栽培しているのか、その概要をお伝えしました。

野菜がより多くの光合成を行い、より多くの炭水化物(CH2O)を作ることが
美味しく健康的な野菜になるという内容でした。
H2O + CO2 → CH2O + O2
太陽エネルギーを使って、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)から炭水化物(CH2O)と酸素(O2)を作る。

では、
その炭水化物がどのように野菜の健康や美味しさに利用されているか、
ということについて慣行栽培と対比してお伝えします。

細胞を作るタンパク質とアミノ酸

そもそも作物がどのように生長しているのか?といいますと、

例えば、ダイズを土に蒔くと
・種子は水を吸って根を伸ばし
・双葉を展開し
・二酸化炭素と水を吸い始めて光合成を行い
・収集した養分がプラスされ
・新根を伸ばし、新葉を順次展開し、体を大きくしながら最終的には花を着け、実を結ぶ

野菜が成長していくことができるのは新たな「細胞」を次々と作り続けているから。
野菜の細胞は「タンパク質(NCHO)」を主体に作られています。
上記の大豆の生長もたんぱく質が次々に生み出されている結果です。

そして、このタンパク質の基本となる原料が「アミノ酸」。
「細胞」←「タンパク質」←「アミノ酸」の流れ。
アミノ酸もタンパク質と分子数は異なりますが、簡単に書くと「NCHO」となります。
元素はタンパク質と同じ。

この「アミノ酸」は野菜が体内で合成するときに、
・光合成によって作られた「炭水化物(CHO)」
・値から吸収する硝酸などの「窒素(N)」
を用います。

ここで炭水化物が出てきました。
炭水化物は野菜のカラダづくりの基、アミノ酸作りにも関与しています。

作物にとって窒素が必要なのは、カラダづくりの基本であるアミノ酸を作るため。
硝酸態窒素という話が出るのは、この窒素成分が過剰だからです。
硝酸態窒素は悪いもの?それは農家次第で決まる

ということで、
しっかりとした体、細胞、繊維を作るためにはタンパク質の基となる「アミノ酸」が必要で、
「いかに効率よくアミノ酸を合成するか」が鍵となります。

有機栽培、慣行栽培の栄養の吸収の仕方

「タンパク質」というゴールに到達するまでの作物の体内で行われる複雑な合成の過程を考えると、

固形タンパク(細胞・固形物):Goal
←水溶性タンパク
←ペプチド
←アミノ酸:START2(有機栽培)
←アンモニア
←硝酸:Start1(慣行栽培)

という合成を野菜の体内で行っています。

ここで、慣行栽培と有機栽培の違いは、
慣行栽培のスタートはSTART1、
有機栽培のスタートはSTART2、
になります。

なぜこの違いが発生したかというと、
昔は慣行栽培ではアミノ酸のような有機態窒素を作物が吸えないと考えられていたので、
さらに小さな物質の無機態窒素の硝酸などの化学肥料を与えていた。
これが今までの農学の基本でした。

でも、2002年の日本農業新聞の記事ではアミノ酸のような有機態窒素も吸収できる、
という農業環境技術研究所の結果が載りました。

これは、作物にとって、
・複雑なアミノ酸合成の工程が省略できるということであり
・作物の生長がより効率的に行われ
・より多くのタンパク質や糖類、繊維類が生産できる
ということになります。

長雨や低温、日照不足など天候に左右されやすい農業ではなるべく、
野菜が行う複雑な合成の過程を緩和することでより健康に育ち、
そして、合成に使うエネルギーを省略できれば、炭水化物が余り、
「糖」や「ビタミン」、「酸」という美味しさの源を作る余裕も生まれてきます。

有機栽培で野菜が美味しくなる理由はここにあります。

ちなみに、アミノ酸は食物の旨味成分としても知られていますが、
たとえば、トマトの味では、二つのアミノ酸「グルタミン酸」と「アスパラギン酸」
の割合が最も大切なポイントと言われていて、割合が「4:1」のときに
最もトマトらしくおいしい味になるそうです。

このように、単に糖度が高いというだけでなく、
このような旨味成分のバランス、つまり、アミノ酸のバランスが大切になります。

有機栽培ではアミノ酸のバランスに配慮した栽培が可能です。

まとめ

「より健康的でより美味しい無農薬野菜」を求めて「有機栽培」を選択しました。

理論的にはこのような流れになりますが、実際にどのような土作りを行っていくかというところが
各有機農家の腕の見せどころになります。

無農薬野菜や有機野菜の宅配は結局、どの有機農家なら安心・信頼できるか
無農薬野菜・有機野菜の宅配は農法よりも農家で選んでみる

でも、まずは理論的に分かっていないと始まらない話で、実践は試行錯誤の連続。

食事のときには栄養やカロリーなど理論は抜きにして、「美味しく」感覚的に味わいたいですね。

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