たねの話。固定種とF1種、雄性不稔の安全性。

農薬と種について
段々と日が長くなってきた2017年春

段々と日が長くなってきた2017年春

無農薬野菜や有機野菜を検討されている方の中には
”種”について調べている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ネットで検索すると色々な情報や意見が出てきて、不安になる方もいらっしゃると思います。
・固定種の野菜を食べることは安全?
・F1種の野菜を食べることは危険?
・雄性不稔を用いたF1種の野菜は危険?
など。

今回は、
・そもそも固定種、F1種って?
・雄性不稔って?
そして、これらの安全性についてお伝えします。

参考になれば幸いです。

固定種とF1種って?

まずは固定種。
その名の通り、代々形質が変わっていない、受け継がれてきた種。
在来種や伝来種ともいいます。
”伝統野菜”や”地方野菜”という言葉はなじみがあると思いますが、そのもととなる種。

例えば、
・賀茂なす(京都府)
・加賀太胡瓜(石川県)
・糸巻き大根(宮崎県)

京野菜として有名な”聖護院だいこん”、”九条ネギ”、”みず菜”などは
明治以前から導入されている歴史があります。

ずっしりと大きくて丸いことで知られている”聖護院大根”も元々は細長かったようですが、
太くて丸いカタチのものを選抜していくうちに今のカタチになりました。

その土地で育てられた野菜の中から良い野菜を選抜し、種を取る。
その種を蒔いて野菜を育て、再び種を取る。
こうして”選抜を繰り返してきた種が固定種”といわれるものです。

特徴としては、
・味に特徴やクセのあるものが多い
・発芽の揃い、生育の揃いが悪い(反対に収穫期がずれるので長くその野菜を楽しめる)

 

次にF1種。
英語ではFirst Filial generation。日本語では雑種第一代。
つまり、異品種の交配から生まれた種で、第一代というのは、
一代目(その種から生まれた子)に限って生育旺盛であることを示しています。

一代交配、ハイブリッド種などと呼ばれています。

特徴としては、
・生育旺盛で、発芽や生育の揃いが良い(二代目はバラツキが多くなる)
・品種改良に伴って特定の病気を避けやすい
・品種改良によって味にクセが少ない

ここで、固定種が代々選抜を繰り返しているのに対して
F1種がどのようにして作られているのか?

これを細かく説明するとなると、”メンデルの法則”、”遺伝”、”雑種強勢”などの
専門的な用語が必要になりますので割愛しますが、
F1種を作る過程で”雄性不稔”という言葉が出てきます。

この”雄性不稔”という言葉が安全に疑問を抱く要因だと思いますので
ここに焦点を当てて話を進めます。

雄性不稔の安全性

雄性不稔とは、インターネットで調べると、
”雄性器官である花粉や胚のうが異常で、正常に花粉形成ができない現象”と出てきます。

植物とヒトは似ているところがあるため、
ヒトでいえば「男性の無精子症、インポテンツ」などと例えられます。
そして、こういった野菜を食べ続けるとヒトにまで影響を及ぼし、
「男性の精子の数が減少している」という原因になっているのではないか、
といった意見が存在します。

これが安全性を問う要因になっています。

でも、植物の性質からみれば、
・「異常」という言葉は生物学的に「異なるタイプ」と捉えられ
ヒトが「異常」だと判断しているけれども植物からすればたくさんある性質の中の一つ
・その作物にとって「雄性不稔が一定の割合で存在することが必要(正常)である」とも考えられるので、
雄性不稔の株を異常と判断するかどうかは作物ごとに異なる
・野生的に育つ作物の中からは、雄性不稔の性質を持つものが存在している
・そもそも、植物は生殖様式がヒトとは異なるので、ヒトに例えることが適切とも言えない。

また、人体の影響については、
・男性の精子の数の減少は、環境ホルモン、食生活の変化なども関わり、
雄性不稔だけが要因とは言い切れない。
・雄性不稔のものを食べ続けて人体に影響があるかどうか、その確固たる証拠はない。

まとめ

以上のことから、
私個人の見解としては、食べて続けて良いと考えています。

インターネットでもメディアの情報でも何でもそうだと思いますが、
世の中の論調に惑わされることなく、冷静に、論理的に考える必要がありますね。

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