世の中には食べたことのない野菜がいっぱい~地方野菜編~

百人百様の有機栽培
高千穂の秋空

京都の地に育つものは”京野菜”。
加賀のものは”加賀野菜”、
東京にも”江戸野菜”があります。

これらは”伝統野菜”と呼ばれます。

気候、土壌、食生活など
各地域に合った品種が色々存在します。

高度経済成長の頃の野菜

高度経済成長とともに、野菜も急激に近代化されました。
”単品、大量生産、大量供給”という野菜作りがすすめられた結果
昔からその地方にあった品種は衰退していきました。

・より多く収穫可能な品種
・旬の時期以外にも収穫できる品種
・ハウス栽培に対応する品種
・耐秒性に優れた品種

など様々な要求に応えるために
種苗会社が”品種改良”を行ってきました。

現在の野菜と地方野菜

現在日本で栽培流通している野菜はおよそ150種類。
しかし、その中で日本国内にもともと自生していたものはわすかで
それ以外の野菜は海外から渡来したものなんです。
海外からやってきた種類も、長い歴史の中で日本の気候や土壌に順応し
幾度となく交配と選抜を重ねてられてきました。
つまり、その土地にあった品種が”地方野菜”として残ってきたわけです。

ちなみに、”京野菜”は明確な定義に基づき”伝統野菜”としていますが
各都道府県がそれぞれに明確な定義をもっているわけないのです。
中世から近代まで、その土地に根付いた野菜が
”地方野菜”としてたくさん存在しています。

各地の地方野菜の例として、
・山形のだだちゃ豆
・長崎の雲仙こぶ高菜
・熊本の水前寺菜
・鹿児島の桜島大根
などがあります。
中でもカブは特に多く、その数は日本全国で80種類ともいわれています。

地方野菜、地のものを食べること

今、地方野菜のもつ豊かな食味を途絶えさせてはいけないという
地元民の思いが全国的に大きなうねりとなり、復活させようする
自治体が増えてきています。

地方、特に地元の野菜を食べることは
上記のような品種を守ろうとする農家を支援することに繋がります。

また、食べる側としても地のものを食べることは良いことでなんです。
”身土不二”、平たく言うと、”身体(身)と環境(土)は切り離せない関係(不二)”
にあって、その土地で育った旬のものを食べることが身体にとって良いという考え方です。
赤道付近の熱い地域の人々が果物を食べて身体を冷やしたり
寒い地域の人々がお肉を食べて身体を温めて
その地域に順応しているように。

そして、自然の中で育つ旬の野菜は、力強く栄養も豊富です。
例えば、寒い時期に露地(屋の覆いがなく、露や雨がじかに当たる地面)で育つ野菜は
凍らないようにするために野菜の成分も濃くなり、甘みが増して美味しくなります。
温室育ちの野菜とは味や栄養価が異なり、値段も安く経済的なところもいいですね。

日本の場合は、国内産であれば”身土不二”に当てはまります。
中でも、地元の旬の野菜を食べてみるというのも面白いのではないでしょうか。

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