こちらのホームページをご覧頂いているということは
農薬がもたらす身体や環境に与える影響について関心をお持ちだからだと思います。
その農薬。そもそもなぜ必要になったのでしょう?
病害虫から守るためということは誰もが知っていることですが
“なぜ病害虫が発生するのか”という観点から考えます。
参考になれば幸いです。
人好みの味に改良
野菜は元々自然界で自然に育っていた植物です。
自然界で生き残っていくためには天敵から身を守る術が必要となり
その術が野菜では
- 辛味
- 渋味
- えぐ味
などであった訳です。
しかし、それを人が”おいしい”と感じるように品種改良を続けてきた結果
野菜に備わっていた”辛味”や”渋味”、”えぐ味”を取り去ってしまいました。
さらに栄養価が高いとなれば虫(病原菌)にとっては好都合。
このような結果、農薬を使用することになるわけです。
これは人も同じ。
人に備わっている免疫(=辛味、渋味、エグ味)が下がると
病気にかかりやすくなり自然治癒で治らなければ薬(=農薬)を飲むことになりますね。
現代の野菜、品種改良されてきた野菜というのは、「人の手をかりる」ということでなければ成長できません。
- 畑を耕す
- 雨よけをしてあげる
- 周りの草を引いてあげる
ヒトが可愛がってあげて初めてうまく育つので、
自然界の植物からすれば野菜の栽培は「不自然な行為」とも言えます。
野草のように人の手をかりずに勝手に育つものと比べると一目瞭然です。
「野菜は足音を聞いて育つ」というくらいですからね。
多様性から画一性に
畑も元はといえば山や林のような多様性のある場所です。
その場所を先人が開梱し現代まで脈々と受け継がれてきました。
畑には土や草、虫が存在し多様性があるように思いますが
開墾前の状態と比べれば単純な生態系なのです。
(※これは農業をする上では致し方ないこと)
画一的な場所に画一的な植物が育つと、単一の昆虫相が生まれ
単一の昆虫相になってしまうとその昆虫を食べる虫もいなくなるため
野菜に虫が寄り付いてしまうのです(菌も同じ)。
多様な生態系が崩れることで野菜が病害虫に寄り付かれ
農薬が必要となります。
これとは反対に、有機栽培では畑の土の中にいる
- 土壌動物
- 土壌微生物や菌
を豊かにすることで多様な生態系をつくり、
それを土の地力として健康な野菜を育てようと考えています。
いわゆる「土づくり」です。
まとめ
このように考えみると農薬の使用は”なるべくしてなった”と思えます。
また、日本の病害虫が発生しやすい高温多湿という気候が相まって
農薬の必要性を高めていることも事実です。
(日本の農薬使用量は多い!?)
不味ければ広まりもしないし食べたくないですから、品種改良前に戻ることは考えにくい。
そう思うと日本で有機野菜(無農薬野菜)が食べられるのは貴重なことなのかもしれません。